Adverse Childhood Experiences:ACEについて③危機的状況と脳

前回の②では先に対策を書かせていただきました。

 

一旦話を戻して、なぜACE(逆境的幼児期体験)がその人の健康を損なうのかを考えていきます。

 

これには人間の脳の機能が大きく影響しています。

人間が野生の中を生き残り、反映していくためには危険に備え、対処する能力が求められました。

「あの木陰からオオカミなど危険な動物が襲ってきたらどうしよう」

そのような不安を感じ、いざとなったら戦うのか逃げるのか、いわゆる闘争か逃走かという

状況を想定して、その時のために身体が反応できるように準備する必要がありました。

不安を感じ、緊張することで脳は危険に対応するために息を潜めさせ、

身体が動きやすいように体中の細胞に酸素を供給し、

もし怪我をしてしまってもそこから逃げたり、追い払ったりできるように

アドレナリンを放出し、痛みを感じにくくする。

本当に命の危険を感じているときに「ヒリヒリする」くらいの痛みは命を守るためには

無視すべきレベルの痛みですから…。

身体は命を守るためにそのような反応や対応を行うわけです。

原始的な脳である扁桃体は命の危険が感じられるような場合に脳全体に命を守るための指示をするのです。

脳から副腎に対してアドレナリンの生産を指示し、

それと同時に血圧や血糖値の上昇を行い、不要不急な判断を抑えること、また眠気を妨げる

(凶暴な動物に襲われるかもしれない時に眠ったり、次の日の朝ご飯を考えている場合ではありませんよね…)

ように指示し、危機回避に向けて準備をするのです。

命を守るためには当然必要な反応、行動ですよね。

ただこの「危機」は大昔の外敵からの防衛や逃走だけではなく、

現代においては自分の内部からの反応、自己批判などにも機能してしまうのです。

 

逆境的な体験は自分の価値を押し下げ、常に外部からも内部からも攻撃にさらされる状況です。

常にストレスにさらされ続けて、身体は長期的に防衛態勢に入らざるを得ません。

常に緊張やストレスがフル回転の状態。

食事も十分にできなければ必要な栄養が摂取できませんから身体の成長も回復も支障が出ます。

また睡眠も十分にとれずに、身体にも心にも脳にもダメージが蓄積されていきます。

幼い子どもは状況の判断もまだうまくできませんし、自らその環境や状態を変えるほどの

生活力もありません。その危機的な逆境的な環境にさらされ続けるしかないことが多いのです。

結果的に身体的(身長や体重など)成長が遅れたり、心の部分でも落ち着かなかったり、暴れたりと

精神的な成長や安定を妨げてしまうのです…。

「①」のブログでも書いたように薬物中毒の家族がいる場合もACE体験の1項目に入ります。

薬物の中にはアルコールも入りますので、アルコール依存症の家族がいたり、

お酒を飲むと暴れたりするような家族がいた場合もACE体験による症状が出ることがあります。

これは以前から言われている「アルコール依存症の家族がいる中で育った子ども」である

いわゆるアダルトチルドレンの状態も含みます。

また情緒的ネグレクトなど本来あるべき養育を受けられない状態であることも考えれば、

最近取り上げられることが多い「ヤングケアラー」もACE体験の1つであるとも考えられます。

そう考えるとこのACE体験による被害は日本の社会においても大変大きな問題であると思うのです…。

そしておそらく、家庭内ではないにせよ、本来であれば自分らしく、楽しくいられるはずの

学校など集団活動の中でのいじめ体験もACEに含まれるのではないかと、私は考えています…。

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